付録 F.2.2 (2) 奏法概説 弦鳴楽器 ヴァイオリンの奏法(e) ピッツィカート 曲:La Cumparsita(Gerardo Hernán Matos Rodríguez,1914 or 1917), 採譜:Roberto Firpo (Rodríguezはこの曲のヒットによって,後に職業作曲家になったが,この曲はまだ楽譜を書けなかった学生時代に作った曲) 演奏はEnrique Rodríguez(エンリケ・ロドリーゲス) のオルケスタ(ダンス音楽をレパートリーとする通俗的な楽団で, 属和音で曲を終わるのをトレードマークとする) .1953年の録音とされる. ピッツィカートを弾いているビオリン奏者は記録されていないが,Antonio Rodio(1904-1980)かと思われる. 演奏している曲は"La Cumparsita"であるが,弾かれている旋律は同じ和音進行のJesús Ventura(ヘスス・ベントゥーラ)1920年作曲の "A la gran muñeca"(ア・ラ・グラン・ムニェーカ:邦題は「大きな人形」【大姉御に】)の第1主題の流用である. エンリケ・ロドリゲスは作曲者と同姓であるが,姻戚関係はない. (注) ヨーロッパの楽団は大部分が原曲にない16小節目を追加して演奏するが,ラ・プラタ河口地域の楽団は必ず15小節で演奏する.